JOLED、印刷方式有機ELディスプレイ量産へ -石川に能美事業所を設立、2020年稼働開始

有機ELディスプレイを開発・製造・販売する株式会社JOLED(ジェイオーレッド、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石橋 義)は、印刷方式有機ELディスプレイの量産のため、2018年7月1日、石川県能美市に「JOLED能美事業所」を開設します。世界初の印刷方式有機ELディスプレイの量産工場として、2020年の稼働開始を目指します。
JOLED能美事業所は、基板サイズG5.5(1300×1500mm)、ガラス基板ベースで月産約2万枚の生産能力を備える、JOLEDの主力拠点となる予定です。車載向けやハイエンドモニター向けなどを想定した、中型サイズ(10~32型)の印刷方式有機ELディスプレイを生産していきます。
JOLEDは2015年の会社発足以来、印刷方式による有機ELディスプレイの研究開発、量産技術の確立を進め、2016年に石川技術開発センターに開発試作ライン(基板サイズ:G4.5、730×920mm)を開設。現在、この開発試作ラインで製造する21.6型4K有機ELディスプレイを、医療用モニターやハイエンドモニター向けに出荷しています。
さらなる事業展開のため、JOLEDは、より大きな生産ラインを備える量産工場の設立に着手します。株式会社産業革新機構から取得する旧ジャパンディスプレイ能美工場に、JOLED能美事業所を開設するとともに、既存設備を最大限活用しながら、新しい製造棟と設備を導入し、有機ELディスプレイ製造ラインを構築します。
JOLEDは、世界初のRGB印刷方式による有機ELディスプレイの製品化を実現した研究開発力と製造ノウハウをもって、量産ラインの早期立ち上げと効率生産を実現し、有機ELディスプレイ市場においてJOLEDディスプレイの浸透を図るとともに、先進のデバイスにより「ワクワク」と「感動」にあふれる世界を実現するというミッションに向け、有機EL分野におけるリーディングカンパニーを目指して挑戦し続けてまいります。
JOLED能美事業所 概要
設立日 | 2018年7月1日 |
所在地 | 石川県能美市岩内町1-47 |
敷地面積 | 約10万㎡ |
延床面積 | 10万4,000㎡、地上5階建て(新棟完成後) |
稼働開始 | 2020年予定 |
製造ライン | 印刷方式有機ELディスプレイパネル製造ライン |
基板サイズ | G5.5(1300×1500mm) |
生産能力 | 20,000枚/月(ガラス基板投入ベース) |


JOLEDについて
株式会社JOLEDは、東京に本社を置き、石川、京都、厚木の技術開発センターを拠点に、有機ELディスプレイならびにその部品、材料、製造装置および関連製品の研究、開発、製造および販売を行う会社です。
JOLEDは、有機ELディスプレイの量産開発加速および早期事業化を目的として、ソニー株式会社、パナソニック株式会社の有機ELディスプレイの開発部門を統合し、2015年1月に設立されました。
2016年に開発試作ライン(基板サイズ:G4.5)を立ち上げ、量産技術の確立と生産性の向上を実現。2017年12月に初の製品である21.6型4K有機ELディスプレイの出荷を開始しました。
印刷方式 有機ELディスプレイについて
有機ELディスプレイ(OLED)は、シンプルな構造、薄型・軽量という特徴を持ち、高い画質性能を実現可能な次世代ディスプレイとして注目を集めています。
有機ELディスプレイの製造方法のひとつである「印刷方式」は、有機EL材料を印刷により塗布・形成する技術で、生産工程がシンプルであることから、多様な画面サイズへの展開が容易な技術として期待されています。JOLEDは、現在主流となっている蒸着方式では製造が難しいとされる、中型サイズの有機ELディスプレイ市場において、JOLEDの印刷方式有機ELディスプレイの浸透を図ってまいります。